満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第26章 寝不足の彼女※ 【宇髄天元】
「…宇髄さん、寝ないの?」
パジャマ姿の波奈が、人差し指で俺の背中をツンと突いた。
「…んーー…あとちょい。先寝といて」
ノートパソコンに向かってカタカタとキーボードを叩き、仕事に没頭する。別に今日中に終わらせなくてもいい仕事の案件ではあったが、波奈と一緒にベッドに入るのは避けたかった。
一緒にベッドに入ると、自然とそういうことになってしまうのだから。先に休んでくれたほうが、そう言う事態にはなるまいと考えた。
「…じゃあ、先に休んでますね。おやすみなさい」
「おやすみー」
少し寂しげなのは気のせいだろうか。
ばたりと閉まったドアをチラッと見る。
波奈の姿はもうなく、またノートパソコンに目を向けた。