満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第25章 前世から※【宇髄天元】
お酒には割と強いほうだった。
しかし今回は、波奈が家を出て行ってから夜の睡眠は浅くなり、その寝不足の身体に大量のアルコールで、不甲斐なくも酔い潰れてしまった。もうどうとでもなれ、と自暴自棄になってしまった。
しかし酒が抜けるのは早い身体なのか、一眠りしたら割と思考も身体もすっきりとしていた。
時刻は明け方4時。
はっと目が覚めてから、先程のことは夢であったのかと一瞬疑うが、同じベッドで裸でスースーと眠る彼女を見て、夢ではなかったと安堵した。
酔ってたとは言え記憶は大体…いや全て覚えていた。
波奈の泣き腫らした目。ずくりと胸が痛む。
酔いに任せて、酒の力を借り波奈を手酷くこじ開けて行為を終わらせたことに、若干の罪悪感が襲う。
ーーあぁ、でも、どうしようもなく好きだ。
また波奈のそばで眠れる幸せを感じ柄にもなく泣きそうだった。
波奈の細く白い左手をそっと持ち上げる。
波奈は起きない。
カタン、とベッド脇のチェストを開け、小さな箱を取り出した。
ーーーなあ、波奈、俺の本気を思い知れよ。
覚悟はできてんだろーな。