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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第25章 前世から※【宇髄天元】



『ーー宇髄さんあなた、前世も波奈をたぶらかして、
現世もそうやって波奈を振り回すおつもりですか?
今回は波奈を帰しましたけれども、もう次はないと思ってくださいね』

スマホの通話口から、冷ややかな声が聞こえて震えた。
おっとりした優しい口調からは驚くほど怒気を含んでいるのだから不思議である。

「ーーあぁ、わーってるって。お前にも迷惑かけたな」

『いえ?良いんですよ、わたしは。
ただ、あの女たらしで有名でいつも違う女を連れていた宇髄先生が本当に波奈を幸せにできるのか疑ってるだけです。
生徒に手を出した宇髄先生を信用できます?』

「…在学中は手を出してねーよ。非常勤講師だけれどもそれなりに職務の誇りは持ってるつもりだよ」

『へえ?それは意外ですね。ダイナマイトで爆破する人がそれなりの誇りを持っているなんて』

「…おまえほんっと俺のこと嫌いだよな」

『ふふ。嫉妬ですよ。波奈は前世でよく泣いていましたから』

あなたを想って。そう言われると、俺はもう押し黙るしかなかった。


『これでも少し悪かったなと思ってるんですよ。
過去に波奈に縁談を持ち出したのはわたしなので。
ですから宇髄先生、いえ、宇髄さん。
波奈と今度こそ結ばれてくださいね』

はいはい、そのつもりですよ。
ご心配なく。

そう言うと、胡蝶しのぶはまた釘を刺すように次はないですよ、と言った。あの派手なすみれ色の瞳が柔く微笑む姿を思い浮かべた。


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