満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第25章 前世から※【宇髄天元】
波奈は前世では、蝶屋敷の胡蝶の元で働く医療部隊の1人だった。日頃の鬼狩り時や、最終決戦後、鬼殺隊の重傷者を助けるために尽くしていたのを覚えている。
宇髄は嫁が3人いてたが、まさかあいつと宇髄がそういう関係であったとは。
それに、波奈は最終決戦後に遠くへ嫁いだと聞いたが…
「…何だお前…またあいつに逃げられたの?」
「…うるせーよ」
ごくごく…とビールを飲み干して行く宇髄を、頬杖をつきながら横目で見た。
あぁ、これはまじで傷ついてるな。
やけ酒に付き合ってやるかと俺もビールに口をつけた。
ほんとにこいつが女関係で傷つきやけ酒するなんざ初めてだ。
宇髄は学生の頃からモテにモテた。それはもう、同級生、先輩、後輩、そして先生に近所のお姉さんやおばさん。
街を歩けば声をかけられ、飲みに行くと声をかけられ。
今だって後ろの女子たちはチラチラと宇髄のことを見ている。
そして宇髄は、昔は呆れるほど女に関しては素行が悪いというか、真面目ではなかった。
彼女という特定の相手を作らず、誘われたら宇髄がその気になれば好き勝手に女を抱いて、それはもう何股だ?ぐらいの勢いだった。
高校からは学校1美人の女から始まり、大学生になれば、同級生からはもちろん先輩後輩、外へ出れば看護師、歯科衛生士、カフェの店員、CA、モデル、女優、…
適当に付き合い、宇髄の自宅で鉢合わせして女同士の修羅場などもあったのか、頬に赤い手形なんか付けてきたこともあった。
自業自得だと、俺と煉獄と伊黒は本当に呆れていた。
…が、その素行の悪さもピタリとあるときを境になくなったな。
そうか、波奈が高校へと入学したときだ。
あぁ、そういうことか。
こいつは本当に波奈のことが本気なのだ。
そしてよくよく思い返せば、
なんとなく歴代の宇髄の女(セフレとも言う)は、どことなく波奈に似ているような…。
黒髪で、ふんわりほんわか癒し系のちっさい女を。