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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第25章 前世から※【宇髄天元】


洗面所で顔を洗い、朝ごはんのお味噌汁をずずっと啜れば、宇髄さんはだんだんと目を覚ましてくる。

「ふあ…波奈、今日授業は?」

あくびをしながら聞く。
さっき伝えたんだけど、そんなことは可愛いからスルーだ。

「今日は一限からなんで、急ぎますー!」

バタバタと身支度をして、やっと席に着いてチラチラと時計を見つつ朝ごはんに手をつける。

「あ、宇髄さんお弁当忘れずに!暑くなってきたので車に忘れちゃだめですよ!」

「おー、いつもありがとな!」

先程の寝起きのぼんやりした可愛い宇髄さんはもういなく、キラキラとかっこいい宇髄さんがいた。
波奈はどちらの宇髄さんも大好きで、毎朝キュンと胸を締め付けた。


「宇髄さん、いってきますね!今日はバイトがあるので遅くなります」

「ん、あぁ…。いってらっしゃい」

「?!あ、…っ、ちょっ…うずいさんっ」

「いってらっしゃいのハグ」

手首を掴まれグインと宇髄さんの胸の中に押しやられた。
逞しい腕でギュッとされ、その強さに驚く。

「…あの、」

近い、近いよ。ドクドクと心臓が高鳴る。
思ってもみないハグにドギマギしていると、ふっと宇髄さんが笑って、ゆっくり腕を解放してくれた。

「時間」

「…え?」

「いける?」

「…あ!!」


グイッと宇髄さんの胸を突いて、玄関へと急いだ。
いってきます!と飛び出すと、宇髄さんはいってらっしゃいとひらひらと手を振った。



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