満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第24章 彼の欲しいものは※【宇髄天元】
ちょっと奮発して購入した、常温に戻したローストビーフ用の塊肉に、塩胡椒をパラパラと。フライパンで両面に焼き目を付けていく。
それが出来たらソース作り。ジップロックにソースと先程のお肉を入れて、大きめの沸騰したお湯の中へぽちゃんと入れて、火を消して休ませる。
その間にサーモンとチーズとトマトと、サラダ菜のサラダを作って冷蔵庫へ。スープも作ろうかな。洋食系にしたけど、宇髄さんが好きな煮物系も作ってあげたい。
余ったら作り置きとして残しておけばいいし。
ぴぴぴ、と鳴ったオーブンを開けると、ケーキのスポンジが膨らんでいるのを見てホッと安堵した。
電動泡立て器で生クリームを作り、二等分したスポンジに塗って、生クリームとフルーツで飾り付ける。
派手派手にしようとキラキラしたアザランとかも飾り付ける。
プロじゃないから手作り感満載だけど、色とりどりのフルーツで可愛く仕上がった。
愛おしい彼の誕生日。彼のキッチンを借りて、大学が終わって速攻に買い物に行って、彼のキッチンで動き回った。
料理をするのは当たり前の環境で育ったために苦労はしないし、どちらかというと好きな方なので、鼻歌を歌いながら彼の帰りを待つ。
10月31日のハロウィンに生まれた彼はド派手だろ?らしい。
夕方のニュースは仮装をして街に繰り出している若者のニュースが流れていた。
やっと料理の目処がつき、洗い物をジャージャーしてたら、ガチャリとドアが開く音が聞こえた。
「ただいまぁ!」
うきうきするような声が聞こえ、ばん!とリビングのドアが開けられた。
「おかえりなさい、宇髄さん」
「うお!いい匂い」
大きな紙袋をかかえた宇髄さんが、キッチンへと吸い寄せられる。
波奈は洗い物を終え、冷蔵庫へ冷ましていた筑前煮をお皿に装っていた。
「…っ、う、」
宇髄さん?
ぎゅむっと後ろから抱きしめられ、
びくんと身体が驚く。
「…あーいいな、帰ったら波奈がエプロンで家にいるの。
イケそう」
「い、いくって、どこにいくんですか…っ、あ、ちょ…っ」
大きな身体に包まれる。その身体を屈ませて、うなじに顔を近づけ、スンスンと匂いを嗅がれた。