満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第3章 嫉妬の先に※《煉獄杏寿郎》
杏寿郎は、家を出てから2日ほどした昼に煉獄家へ帰ってきた。
「おかえりなさい!杏寿郎さん」
玄関まで迎えて声をかける。
「ああ!今帰った!怪我をして蝶屋敷に世話になってた!」
見れば左の手首の方に包帯が見えた。
「え!だ、大丈夫なのですか?」
「軽い傷だ!胡蝶が大事をとって一泊しろというのでしてきた」
「そうなのですね…」
波奈がそっと怪我したところを上から撫でて、杏寿郎が無事に帰ってきたことに、じんと嬉しさを感じていた。
それを見て杏寿郎は、波奈をぎゅっと抱きしめた。
「胡蝶に早く帰りたいと駄々をこねたが無理だった!」
「ふふ、それはそうですよ」
「それはそうか!」
ははは!と2人で笑い合った。
杏寿郎の体温がしっかりと波奈に伝わる。
「よし!今日は1日非番だ!甘味処にでも行こう!」
「はい!杏寿郎さん」
場所は遊郭ではあったが、ふだんと変わらない杏寿郎に、私は一体何を心配してたのだろうと自分を恥じた。