満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第22章 青い春の彼女※【宇髄天元】
波奈の身体が揺れるたびに、華奢な割に胸元の成長した柔らかそうな2つの膨らみがたゆんと揺れる。それは体操服を着ていると、一層その形がわかってしまうのだ。
『放課後 美術準備室』
イライラしながらメッセージアプリを起動して滅多に送らない彼女にそう短くメッセージを送った。
すぐにそれは既読がついて、イラついてる俺を知らずに了解♪という呑気なスタンプのみが返ってきた。
『お前体育は上からジャージ羽織れよ!』
放課後、美術準備室に入ってきた波奈にそう告げた。
波奈は怒っている俺の言う真意が全くわからないようで、はてなマークを散りばめる。
『どうしてですか?』ときょとんとした顔で純粋にそう聞いた。
どうしてって…
お前の乳が揺れてそんな姿他の男に見られたくねーからジャージを着ろ!
って、セクハラ教師か俺は?
波奈の疑問にすぐ答えられず、固まる俺に、ますます怪訝な顔をする波奈。
『…寒くて風邪引くじゃんか』苦し紛れに返す。
『身体動かしたら寒くないですよ?』
いやそーだろうけどさ!
『…宇髄先生?』
頭を抱える俺を心配そうに見つめる。
このドがつくほど鈍感な生徒に、一から説明しなければならない。
好き同士であるとお互い理解はしているが、付き合ってはなく、恋人でもなんでもない、このすぐ壊れそうな曖昧な関係だとしても。
『…お前の体操服姿を誰にも見せたくねーんだよばか』
半ば開き直って、だから上着を羽織ってください、とハーため息をつきながらそう言うと、案の定波奈は少しの時間固まったあと、ボン!と赤く頬が染まり上がった。
『…っえ、え?、』
なんで?わたしの体操服姿?へ?
目の前の教師の、自分に向けられた子どもっぽい独占欲に、
まだ状況を飲み込めていない波奈。
宇髄はそんな波奈を見てクっと笑ってしまった。
『わかった?』
『え?!…』
『返事!』
『は、は、はい!』
慌てて返事をする波奈に、
…ちょろいな、と宇髄が思ったのは秘密である。