満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第21章 禁欲の果てに※【宇髄天元】
「あの、お兄さん、お一人ですか?」
スマホで波奈のプレゼントの検索に没頭していると、ふいに声をかけられた。2人組のお姉さんがおずおずと俺の方を向いている。
「…なんですか?」
怪訝な顔で一応聞く。
「いえ、あの、すごくかっこいいなと思って。もしお暇なら一緒に、」
「すいません、今から彼女と会うので」
即答で、しかし穏便にやんわりと。にこっと愛想笑いをし、スマホをズボンのポケットに突っ込んで、ささっとその場を離れる。
あ、じゃあ連絡先、という諦めを知らない声が後ろから聞こえるが、聞こえないふりをした。
ふう、と息を吐いた。逆ナンを鮮やかにかわす能力は、必然と身についた。
ブブっと携帯が振動する。画面を見ると、ちょうど連絡しようと思っていた人だった。