満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第21章 禁欲の果てに※【宇髄天元】
波奈が卒業した春。
前世の過去を持つ俺と波奈。前世で恋人同士だったためか、想いが通じ合うのもそう時間はかからなかった。
がしかし先生と生徒の立場であったため、きちんと付き合い始めたのはこの4月からだ。
柔らかな春風が、気分を自然と高揚させる。
波奈は春の5月生まれ。波奈らしい、と思う。
『宇髄先生』とふわりとした柔らかな可愛い笑顔で俺を呼ぶ波奈を思い出した。
波奈は未だに俺のことを宇髄先生と呼ぶ。
まだ俺の生徒気分なんだろう。大人な教師である俺に、なんっの警戒もなさそうに、無垢な笑顔で俺を先生と呼ぶ。
俺のことをまだ清廉無害な先生とでも思ってるんだろーか。
俺のことを先生としてでなく男として接してくれるのを、今か今かと待っているというのに。
波奈が大学生になってもう1ヶ月たとうとしている。
彼女らしい控えめなブラウンに染めた髪、ケバくないメイク、どんどんと子どもから大人へと成長していっている。
高校生のときよりもさらに色気もでてきて、可愛いだけでなく綺麗になってきた。
してその可愛い彼女に、誕生日プレゼントを贈るために百貨店をうろちょろしたが、情けないことに彼女の欲しいものが全くわからない。
あれが欲しい、これが欲しいとはあまり言わないタイプで、高校生の時も唯一欲しがったのが『携帯の連絡先』であったりするのだ。
本当に可愛い。
…俺はぞっこんだった。年下の、可愛い彼女に。