満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第20章 宇髄先生とわたし ー告白と相思ー後編
「先生!確認なんですが卒業するまでは、その…触れ合いは禁止なんですか?」
「当たり前のことを聞いてんじゃねーわ。もちろんダメだわ」
「ええぇえ?キスも?」
「今までの話を聞いてたのかお前は」
「じゃあ手は?」
「だめだな」
「じゃあハグは?」
「アウトだな」
えええ、そうなの?そうかあ。
「卒業後だ!我慢だ!俺!」
わたしだって我慢だ。
でもそれ以上に、先生の気持ちが嬉しくて、たとえ触れ合いがなくても愛があれば大丈夫なはずだ。浅はかな考えだけど。
「よし!んじゃお前それ飲んだら帰れ」
「えっ?」
「えっじゃねーよ。俺は仕事が溜まってんの」
えーもうちょっと、せっかく想いが通じ合ったのに。
冷たいな、と思ったけど、部屋の隅にあるパソコンは電源が付いていて光っているし、ファイルやプリント類が積み上げられてるし、有名な芸術系の赤本なんかも散らばっている。
クリスマスイブに仕事って言ってたけど、ほんとだったんだ。
「それに、お前がこの部屋にいること自体がもう俺の理性ぎりぎりなので、早く帰ってください」
宇髄先生はそういうと、ぐび、と残りのコーヒーを飲み干す。
先程の甘い空気とは違い、先生の顔をした宇髄先生は立ち上がってキッチンの方へ向かった。
波奈は理性ギリギリと言われてドキっとするけど、ほんとに早く帰れオーラを感じたので、わかりました…と少々悲しいのをこぼしながら、飲み物に手をつけた。甘くて優しい味がする。
「ねえ、先生?」
「まだなんかあんのか」
「あのね、今日はクリスマスイブですよ」
「そーね、まあ俺には関係ないけど」
「プレゼントが欲しいです」
「あ?」
「先生の連絡先」
「…連絡先ぃ?」
心底めんどくさそうな声を出す先生。
いやほんと私のこと好きなのかな?いきなりの不安である。
「だめ?」
「…ガキとメッセージなんてできるかよ」
「…じゃあ拗ねて他の人とデートとかに行っちゃってもいいんですか」
んぐっと宇髄先生が固まる。
それからハアとまたため息をついて、パソコン横に置いてあるスマホを取り、波奈の手に持つスマホをひょいっと取り上げた。
両方のスマホを器用に操作し、
「ん」と言って波奈にスマホを返した。
波奈は画面を見てパアアアと笑顔になる。