満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第20章 宇髄先生とわたし ー告白と相思ー後編
「お前が前世を思い出した時は、ほんとに死ぬほど嬉しかったんだよ、その後に好きだって言われた時は、そのまま抱こうかと思ったぐらいだ」
「だっ…?!え、そんな…?」
「そんなだよばか!避けてたのは、歯止めがきかんくなる耐性のない俺を恐れてのことだ。…避けてて悪かった」
「じゃあ、生徒のことは絶対に好きにならないって言ったことは?」
「あ?んなことお前に言ったか?」
「言ってたのを聞いたんです、裏庭で…」
裏庭?…と宇髄先生が一瞬考えて、あーーと声を出した。
「何お前盗み聞きかー?」
「ちがっ…聞こえたの!」
「そりゃお前、そこまで言わねーと卒業後にまたしつこく告ってくるんだよ、その予防だ」
「…わたしは?」
「なにが」
「宇髄先生が好きな生徒のわたしは、先生の恋人にはなれないの?」
「なれないね。ーーーー卒業するまでは」
「じゃ、じゃあ、!卒業したら、先生の恋人になれるの?」
波奈は宇髄先生を見つめた。
先生もわたしを見つめてくる。その瞳の奥はゆるりと動いて熱っぽい。
「ーーーあぁ。だから頑張って卒業してくだサイ」
「う、うん!する!頑張って卒業する…っ!」
嬉しすぎて泣きそうだ。
「うれしいっ…」
天へ舞い上がるほど。嬉しい。
嬉しい以外の言葉は出ないほど、嬉しい。
すると宇髄先生が、わたしの後頭部をするりと撫でて、優しくゆっくりわたしの顔に近づいた。
鼻が当たりそうなほどの距離に、波奈はビクッとして、そして目の前の近すぎる距離にボンと顔が赤らむ。
次の行動に備えるようにギュッと目をつぶる。
が、いつまで経っても先生は停止したままで、思わず目を開けて、
せんせい…?と言った。
宇髄先生はハ〜〜〜とため息をついて、身体の力がへにゃっと抜けたかのように波奈の肩に顔を預けた。
「あ、あの、せんせい?」
波奈の肩に宇髄先生の顔が乗り掛かる。その近すぎる距離に、また波奈は慌ててしまう。
「い、いま、先生、そういうタイミングでしたよね?」
「お前いつ卒業すんの」
「え?ええっと、あと2年と3ヶ月?ぐらいですかね」
「…なっがいなー」
ハアとまたため息。