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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第20章 宇髄先生とわたし ー告白と相思ー後編


「つかお前ほんと何なんだよ。入学式で派手に新入生代表とかしやがって。一気にお前の可愛さが全校生徒に知られたじゃねーかよ。
あともっと階段登る時は後ろ気にしろよ!背後を気にしろよ!
夏服でたまーに下着透けさせやがって。体育の時はジャージを羽織れよ!
プールの授業来年はお前はもうぜんぶ出席するなよ、決定な。
それに何だよあのバカなメイド服!喧嘩売ってるとしか思わねーわ。パシャパシャ写真撮られてんじゃねーぞ…」

「ちょ、ちょっと待ってください…っ」

好きを開示した宇髄先生は、もうとどまることを知らないようだった。波奈はそんな宇髄先生の告白にただただ恥ずかしくなるばかりだ。

「でも…じゃあ…どうして、」

「あ?」

「わたしが好きって言ったら先生何にも言わなかった…
わたしを避けて、先生は何にも言ってくれなかった」

告白した時に、宇髄先生はそっか、と言うだけで。
波奈はそのことを思い出して、震える声で言った。

「…そーね。悪かった」

先生は続ける。

「俺はね、こー見えても、この仕事が好きなんだよ」

「知ってます、それは」

「まあ、美大行くやつや芸術系の専門なんか行くやつ以外は、美術なんてだるいだろうけど」

「そんなことないです、みんな美術が好きです。それは先生のおかげでーーー」

「うん。別にお前みたいに下手でもいいんだわ。
美術を、芸術をちょっとでも理解して、好きになってくれれば」

宇髄先生はフーと息をついて、コーヒーを手にして一口飲む。

「だから今は生徒のお前の想いに応えるわけにはどうしてもいかねーんだわ。センセイの俺は」

「…うん…」

「世間体を気にする心の狭いやつだろ、俺は」

「そんなこと…」

それにな、と宇髄先生は続ける。

「先生と付き合ってるなんて噂でもたってみろよ、
世間は存外つめてーんだよ。SNSにでも流れてみろ、お前は一生後ろ指差されるぞ。そんな目に合わせたくねーんだよ。
お前の家は代々続く診療所だ。そんな良いとこのお嬢さんが先生と付き合ってるなんて変な噂が流れてみろ、俺はお前の家に顔向けできねーよ」

「わたしの家のことなんて、そんな」

気にしなくて良いのに。

「なんでだよ、代々続けて行くことがどれだけ難しいか」

そんなふうに色々考えてくれてたなんて。
宇髄先生はとても大人だ。わたしと違って。
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