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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第20章 宇髄先生とわたし ー告白と相思ー後編



そんなのわかってたんだけど存外それがボディブローのように波奈をヒリヒリと痛めつけた。
昨日の学校が終わって家に着くと泣きに泣いてしまった。

そして朝である。
波奈は悲しみを一周まわって、少し腹が立ってきた。
宇髄先生だって、あんなふうにわたしを美術担当だとか言って用事をなにかしらつけて構ってたくせに、前世を思い出してなんかちょっと嬉しそうだったくせに、あんなにわたしのことちょっかいだしてきたくせに…!とまあわたしの逆上も良いところだ。
別れ話がこじれて殺人事件をおこす、なんてドラマは見たことあるけど…、振り向いてくれなくて怒りを覚える、なんてそんな風に思う自分がゾッとする。

はあとため息をついて、LINEの画面にふたたび目線を落として、
了解です♪のスタンプを一つ返した。
すぐにそれは既読になった。


電車を降りてから外気の寒さに震える。波奈はちょっと薄着だったかなと少し後悔する。

ちょうど帰省していた姉3人に、映画に見に行くと言うととても喜んで、髪やらメイクやら服やらをそれはもう着せ替え人形のように波奈を使って遊ばれた。
高校生はナチュラルメイクが1番♡と薄く塗られたメイクがなんだかこそばゆい。髪の毛はなんか巻かれて一まとめにされた。風に揺れるポニーテールがなんだか新鮮。
服はチェックのスカートにゆるっとしたニットで、素足を出すのを躊躇ったら姉たち3人に若いから大丈夫とゴリ押しされた。

そんないつもしないようなお洒落な(と思いたい)格好をすると、
なんだか少しだけ気持ちが上向くから、女の子は不思議だなと思う。

12月24日の街はどこかしらみんな浮かれているようだった。
駅前にはイルミネーションが取り付けられているし、大きいクリスマスツリーもある。
待ち合わせ場所に着くと、生徒会長の彼はもうそこで待っていた。


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