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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第20章 宇髄先生とわたし ー告白と相思ー後編


12月24日。
眠る時に保冷剤を当てながら寝ると目は腫れない、と恋夏さんに聞いた。そのかいあってか、泣きに泣いた目はあまり痛くない。

とりあえずのろりとベッドから起きて、スマホの画面を見ると、LINEの新規メッセージが二件。

『おはよう
今日は10時に駅前で
楽しみにしています!』
絵文字が少ない彼の文章の後には、
よろしくのスタンプが送られていた。


ちょいちょいっと手招きされて恋夏さんにお呼び出しされたのは、期末テストが終わってすぐのことだった。

『波奈ちゃん、炭子物語、好き?』

と。炭子物語は今人気のアニメだ。

『大好きです!えっと、』

チラッと恋夏さんのそばにいる男のセンパイを見上げる。
背が高くて、黒髪短髪の、黒縁メガネの先輩。
この人見たことあるなあ。

『初めまして、生徒会長の穂高です』

あぁ、そうだ!生徒会長!文化祭や朝礼なんかで見たことあるぞ。

『あの、よかったら炭子物語ー遊郭編-の映画観に行きませんか』

『え?!あの今人気すぎて前売り券も完売で観れない映画ですよね?!』

『波奈ちゃん観たいんじゃない?』

『それはすごく観たいです!』

『じゃあ決まりだね!』

ん?と思ってけど、生徒会長のホダカさんは、
パァっと嬉しそうな顔になり、じゃあ公開日初日の12月24日でいいかな、と言うものだから、え、あの、と戸惑っていると、あれよあれよと連絡先を交換して、待ち合わせする場所まで決めてしまった次第である。

流れで12月24日の予定が埋まってしまった。
まだ戸惑うわたしに、恋夏さんは『深く考えすぎずにね!』と言われた。
頭の片隅に、宇髄先生のことが思い浮ばないわけではなかったが、
宇髄先生にことごとく避けられていて、正直参ってしまっていた。
今は宇髄先生のことを、考えたくはなかった。

しかし、波奈がデートに行く(波奈は映画を観に行くだけだと思っている)と知った宇髄先生は、
俺には関係ないと言い放った。
波奈がクリスマスイブに、誰と出かけようが宇髄先生にとっては関係のないことだ。わかってはいた。

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