満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第20章 宇髄先生とわたし ー告白と相思ー後編
「あのクラスのマドンナの波奈がねえ、クリスマスのイブに!やっと!」
「デ、デートじゃないよっ」
赤くなって必死に抵抗だ。
「た、ただ映画観るだけで、」
いやそれデートじゃん。クリスマスイブに異性と映画って。
それデートじゃん。
とクラス全員から突っ込みだ。
一体クラスのマドンナの波奈を映画に誘い、デートに行くのは誰なのか、クラスがいっきにわく。
波奈は顔を赤くしてあわあわとしながら黙ってしまった。
「ーーーお前らうるせーよ、授業は終わってねーぞ」
その騒がしさをシン、とさせたのは、明らかに怒っているような宇髄先生だった。
「うずせ〜ん!波奈が誰とデート行くか気にならないのー?」
とまた女の子がキャイキャイ続ける。
「俺には関係ねーよ。はい、とりあえずプリント配れ」
俺には関係ねーよ?俺には関係ない?
いやあるでしょ思いっきり、あんな音出しといて。
前世で仮にも深く愛し合った仲だよ?
関係ないことないでしょ…!
俺は波奈のほうをおそるおそる見たけど、
波奈はもう泣きそうな顔で下をむいていて、
悲しい音だけが小さく聞こえていた。
宇髄先生はそんな波奈を知ってか知らずか、冬休みの課題についての説明をたんたんと続けて、今年最後の授業は終了した。