満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第20章 宇髄先生とわたし ー告白と相思ー後編
「ーーーつまり、好きって告白したけどある理由で思いっきり振られた、と」
宇髄先生のことを伏せるとかなり短くなってしまったけど、しょうがない。波奈は恋夏さんにコクンと頷いた。
「波奈ちゃんみたいな可愛い子を振るなんて、なんてクソ野郎なのかしらね」
美人な顔をした恋夏さんが、クソ野郎と言うなんて意外だ。
そのクソ野郎は宇髄先生なんですけどね。言えないけど。
「…うーーん、それはもう、どうしようもないかなあ」
うう、やっぱりか、そうだよね、と炭治郎と善逸と伊之助は思った。
が、恋夏は続ける。
「どうしようもないけど、切り替えて次に行くのが1番!」
と。
「…つぎ、ですか?」波奈が口をポカンとして聞く。
「そう!新しい恋ってこと」
「そ、それは、好きな人以外の人とですか…?」
「うん!だってどうしようもない恋はどうしようもないんだし、悩んでる時間が勿体無いでしょ?だったら次にいくかなあ、無理にでも」
「無理にでも?」
「そうしていくうちに、だんだんその人のこと忘れちゃうんだよね、不思議と。恋の病は恋で治すのが1番!」
「…恋夏さん…っ
わたし、その人のこと好きで、大好きで…
でも、その人のことみたいに、他の人を好きになったり、
できるんですかね…っ」
波奈はまたぼろぼろと涙する。
恋夏さんは波奈の手を取りぎゅっと握った。
「ぜったいできる♩」と。
うん、この人に相談できてよかった。
炭治郎は心の中で恋夏にお礼を言った。