満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第19章 宇髄先生とわたし –記憶と悲恋ー中編
それから散らばった記憶の端々は、大きな記憶となって波奈を走馬灯のように思い出した。
一つのことを思い出すと、芋づる式に次々と。
前世は波奈は、鬼殺隊を支える医療部隊だった。
そこで音柱の宇髄天元と出会う。
「はっ…!お、音柱さま、あわ、うううずいさん、や、う、うずいせんせいっ…」
目がまわる。
「うん、いったん落ち着こ」
肩をポンと叩く先生は、それから波奈を椅子に座らせた。
そうだ、前世は、宇髄先生と私は恋仲で。それで。
ブアアっと首まで赤くしてしまった。
まだパニック状態のわたしは、頭がぐるぐるとまわってふらふらする。
宇髄先生はそんな波奈が落ち着くまで黙って側にいた。
その赤い目の奥は、うるっと揺れたように思えた。