満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第18章 宇髄先生とわたし -出会と恋慕- 前編
宇髄先生のことが好き。でも先生だ。
実らない恋だ。だったらもう、これ以上好きにならないようにこの気持ちを捨てるしかないと思って、避けているのに。
これじゃあいつまでたっても、わたしは宇髄先生を好きなままだ。
困ってしまう。わたしも、…きっと宇髄先生も。
「よし!今日は俺を避けた罰にここ掃除な!」
「…え?」
宇髄先生はキャンパス周りの絵の具や筆やパレットをごちゃごちゃしているところを指さした。ものすごく汚い。
「…ここ、ですか?」
「うん!よろしく!」
にかっと笑う楽しそうな宇髄先生。
もう…と呆れるふうに思ったけど、じわっと溢れそうな嬉しい気持ちは隠せそうにない。
ピンポンパン
『…宇髄天元…職員会議だ…5分遅刻だ…殺す…』
という校内放送が鳴り響く。
ええっと、あれは伊黒先生?
「先生殺されちゃいますよ?!」
「やべ!会議なの忘れてたわ!終わったらてきとーに帰れよ!」
そう言い残し、宇髄先生は早々と美術準備室を去っていった。
ポツンと残された波奈は、腕まくりをして掃除に取り掛かった。