満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第18章 宇髄先生とわたし -出会と恋慕- 前編
20分ほどが経過したころ、もくもくとデッサンに集中していたが、ふいにバサッと紙を引っ張られた。
「え?なにす…」
「なんっだ…お前この絵は…っ」
「へ?」
「ド下手だな!おい!!」
「は?」
え?せんせい?
宇髄先生は私のデッサンをマジマジ見て、それからぶっと吹き出した。
宇髄先生は涙目でお腹を押さえて、身体をくねらせて、笑い転げている。豪快に笑っている。大爆笑である。
「おっまえこれひでーな!なんだこれ?ひとか?ひとなのか?」
「ちょっ…っとまってくださいよ!」
波奈はワナワナして宇髄先生に抗議だ。
「わたしより伊之助のほうが下手ですよね?!」
「あ?!」いきなり伊之助が呼ばれ、しかも下手だと言われた伊之助はぷんすこ怒っている。
「宇髄先生!絶対伊之助のほうが下手ですって!よく見てくださいよ!」
「波奈…伊之助に失礼だぞ…」
炭治郎が仲裁に入る。
「ちょっと待て波奈…お前の方が絶対下手だ」
「絶対伊之助のほうが下手!」
「お前だ!」
「伊之助!」
波奈と伊之助はぐぬぬ…とどちらも譲らない。
「だああ!るっせーよ!どっちもド下手だばか!!」
その低レベルな争いは、宇髄先生の大迫力の声で終止符が打たれた。どちらも下手という結果だ。