満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第18章 宇髄先生とわたし -出会と恋慕- 前編
木曜日。
「はーい席つけよー」
ガラっと美術室のドアを開け、宇髄先生は入ってきた。
プーとガムをふくらませて、出席簿を肩に担ぐようにして持っている。
教師として似つかわしくないパーカーを羽織って。
本当に教師なのかと疑う。
ーーーが、授業はいたって真面目で
初めは教科書を開かずに黒板に美術史なるものを、
それはそれは綺麗な字で、無駄がなく端的に書いていく。
それから絵の説明、抽象画と具象画の説明を、画材をうまく使い丁寧に教える。
「手始めにデッサンしよう、ありのままを紙に描けよ」
と大きめの紙を配られ、真ん中にどかっと石膏像を置いた。
「はい、はじめー」
意外にも、たんたんとした、きびきびと動く宇髄先生。
な、なんかすごい先生っぽい…!
と波奈はどぎまぎしてしまった。