満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第18章 宇髄先生とわたし -出会と恋慕- 前編
ようやく入学式が終わった。波奈はふう、と息を吐く。
パチパチと拍手の中を歩く。
パチパチと拍手している宇髄先生と目が合う。
さっきのお礼を言わなくちゃ、先生のおかげで落ち着いて挨拶ができたのだ。
すると、宇髄先生はとびきりの笑顔で
「おつかれさん」
と言いながら、大きな手で波奈の頭をポンっと撫でた。
「大丈夫だって言ったろ?さすがお前」
と言いながら、今度はわしゃわしゃと頭を撫でまわされた。
「あ、ちょ、…宇髄先生っ」
かかっと赤くなり、どぎまぎしていると、遠くの方で2組が呼ばれている。
あ、やばい、行かなくちゃと思ったら、宇髄先生はじゃーなと言って、手をひらひらとさせて、去っていった。
お礼言うの忘れちゃった。
でもいいか、またいずれ学校で会える。
波奈はわしゃわしゃされた頭を直しながら、去っていく大きい背中を見つめた。