満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第2章 傷を癒す※《煉獄杏寿郎》
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腰と内腿の薬が効いてきたのか、しのぶが帰った後はすこぶる体調がよく、家事も進んだ。
杏寿郎、千寿郎、槇寿郎も帰ってきて、夕飯をまたみんなで囲み、和やかな時間を過ごした。
杏寿郎と部屋で湯浴みの準備をしていたときだった。
「波奈!胡蝶に診てもらったのだな」
「あ!はい、杏寿郎さんが言ってくれたんですね、ありがとうございます」
「ああ。屋敷で胡蝶に叱られた」
「え?なにをですか?」
「波奈をあまりいじめるなと。
波奈、本当にすまなかった。申し訳ない」
杏寿郎が眉毛を下げて波奈を本当に申し訳なさそうな目で見つめた。
「それは朝聞きました!
それにいじめられてなんかいません!
もう本当にわたしは大丈夫です!」
杏寿郎が悲しそうな顔をするのは、波奈にとっても悲しく、波奈は杏寿郎の下がった眉毛をぐいっとあげながら言った。
「ちゃんとお薬も貰いました!なのでこの話はお終いです!」
「そうか…。うむ」
杏寿郎が腕組みしてじっと考えた。
「ならせめて薬を塗らせてくれ!腰か?!」
「えっ…!」
ハッと思いついたように杏寿郎は言った。
そうだそうだ、薬を塗ってやろう!杏寿郎は嬉しそうに薬を探す。
「湯浴みのあとでいいか?!」
「いえ、薬は大丈夫です!」
「なぜだ?!」
なぜって…
それは腰ではない場所で…
波奈はカーーと顔を赤くしてしまった。
「ん?!どうした波奈!顔がゆでだこのようだ」
「ほんとにいいんです、薬は」
「だめだ!!!波奈の腰はオレが治す!」
「いや、あの…腰ではなくて、」
「む!!?」
杏寿郎は、首まで真っ赤にしてる波奈を見て、ようやくその意味が理解できた。
「…。そうか、ソコか」
「なので本当に大丈夫です。自分で」
波奈は汗がダラダラ流れて手をブンブン振った。
「なんの問題もない!!」
「え?」
「波奈の身体は俺が治す!
もう安心だ!
俺は俺の責務を全うする!!!」
「杏寿郎さんどこ見てるんですかー!」