満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第16章 理性と欲情の狭間で※【宇髄天元】
「音柱様!どうされました?」
宇髄が蝶屋敷の戸を開けると、
蝶屋敷にたまたま用事があった男の隠の部下が、だらんと寝ている波奈を抱いてる宇髄に走り寄り、声を掛けた。
波奈を心配してのことだろう。
「ーーーー血鬼術にやられたが命は大丈夫だ。怪我もない。胡蝶のところへ運ぶ」
「それならわたくしが。音柱様はお帰りになってください」
「いや、俺が運ぶ」
隠しが波奈を代わりに抱こうと手を伸ばしたが、
宇髄はそれを制止し、スタスタと蝶屋敷へ向かった。
まだあの血鬼術が解けたかはわからない。
誰にもこいつを触れさせるかよ。
「あっ…はい、では、失礼します」
隠しは、宇髄の殺気立つような雰囲気にびくっと怯え、深くお辞儀をして、蝶屋敷を出た。