満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第16章 理性と欲情の狭間で※【宇髄天元】
「…お、おねがい…です、…はこばないで…っ」
「?どうした」
ぎゅっと宇髄の胸の隊服を掴み、必死に訴える波奈。
顔を真っ赤にして、大きな瞳の涙が今にも溢れそうだ。
ーーおかしい、様子が。
「おい?なにがあった」
立ち止まり、抱き上げたまま波奈の顔を覗き込む。
「あ、あの、わたし…っ」
ハア、ハアという息遣い。
「ゆっくりでいいから、落ち着け」
波奈は、蝶屋敷で働く15の少女。
身体は華奢で小さい。
その小さな身体を震わせて、何か訴えようとしている。
見たところ、外傷もまったくなく、血も出ていない。
鬼に襲われた形跡は、これと言ってない。
それに関しては宇髄はほっと胸を撫で下ろした。
ーーーーが、なんだ?
顔を赤く上気させ、ふるふると震え、ハッハッと興奮したような息遣い。
目は涙を溜めて、酸素を取り込むように口は半分開いて、とろっと唾液が出そうだ。
波奈の下半身から、くちゅん、と水音が聞こえた。
宇髄はその音を聞いて、ピンと点と点が繋がったような感覚になった。