満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第16章 理性と欲情の狭間で※【宇髄天元】
うずくまるように倒れているのを、仰向けにさせて抱き上げた。
倒れている女の顔を見て、
宇髄の顔がサっと青くなり、身体中が強張った。
「ーーー波奈!」
心臓がドクッと鳴る。
波奈は顔は赤く上気し、ハアハアと苦しそうに息をしている。額はうっすらと汗をかいている。
生きている。
ーーーが、意識はない。
「おい!!」
ゆさゆさと身体を揺らし、大声で呼びかける。
その声に気づいたのか、
ゆっくりと波奈は薄目を開けた。
ハッハッと、苦しそうだ。
「おい!大丈夫か?今蝶屋敷へ運んでやるから!」
「……お、おとばしらさま…わたし…っ」
ハーーハーーと大きく息をしている。
目には涙を浮かべている。
「しゃべんな、もう。運ぶぞ」
宇髄はすくっと波奈を抱いたまま立ち上がった。
「…っま、まってくださ…っ…っ」
力が入らない波奈は、へにゃっとしながら口を必死に動かしてる。
「…話はあとでゆっくり聞いてやるから」
震える身体、ビクビクと痙攣している波奈。
早く手当をーーー。
宇髄は林を駆け出そうとした。