満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第15章 合間のいたずら※《宇髄天元》
隊士はその声にビクッと震え、慌てて波奈の手首を掴んでいた手を離した。
波奈は声の方を振り向くと、
竹刀を持った宇髄天元が立っていた。
眉間に皺を寄せ、怒りを隠せない様子でこちらを睨んでいた。
「…おいお前、倒れたから様子を見に来たが、
こいつにちょっかい出すとはいい度胸してんなおい…!」
「う、宇髄さん!わたしちょっかいなんて出されてないです。
彼は倒れたんですよ?その介抱を、」
何か勘違いをしている宇髄に、波奈は慌てて弁明する。
「お前は黙っとけ」
しかし、ギロッと睨まれた波奈は、グッと黙るしかなかった。
宇髄は竹刀で隊士の下顎をグッと持ち上げた。
隊士は震えながら、…すいませんでした…と小さく謝る。
「お前もう動けんだったらさっさと走ってこいよ」
と言い放つと、隊士はそろそろとベッドを降り、
宇髄と波奈に深く頭を下げて部屋を出て行った。