満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第14章 天元様は呼ばれたい※《宇髄天元》
「おまえ…!あれだけ俺がお前に天元様か旦那様で呼べって言ってんのに煉獄には名前であっさり呼ぶのかよ!」
「違うんですっ!あの、炎屋敷で訪問診療のとき、炎柱様だと杏…煉獄さんのお父上様に悪いと思い、かと言って煉獄さんだと全員煉獄さんなので、どうしようかと思ったら、杏寿郎と呼んでくれと杏…っ…炎柱様が」
杏…っじゃねーよ!
宇髄は怒りが収まる様子はない。
「お前胡蝶のことなんて呼ぶ」
「しのぶさんですね」
「甘露寺は?」
「蜜璃さんです」
「竈門」
「炭治郎です!」
「黄色いやつ」
「善逸ですね…」
おい!!
宇髄はますます怒りをあらわにさす。
「…お前も最近宇髄になったばっかりだろーよ…!」
宇髄は子どものように、波奈の肩を両手で持ち、ゆさゆさと波奈のことを揺さぶった。
「うずいさ…っおちついてくださいっ…!」
揺さぶられすぎて目が回る波奈。
「宇髄さんじゃねーよ!て ん げ ん だろ?!」
「…は、恥ずかしいです…それは…」
もごもごと言い、顔を赤くさせる波奈。
「呼べ」
「…い、や…それは…いきなりは…」
もじもじと波奈は後ずさる。
宇髄はハーーーーと長めのため息をついた。
「お前…今日は家くるんだろうな?」
「あ、はい…わたし今日はお当番なので…」
「…ぜってー呼ばす…」
「え?」
「ぜってー俺のことを名前で呼ばす…」
「え、ちょっと…」
なぜかどこを向いてるかわからない宇髄は、ゴゴゴ…と炎が燃えているようだ。
ヒェッとなったわたしは、宇髄から逃れるように後退りをした。
「…ちっと鬼殺してくるから…お前は俺の家で大人しく待ってろよ…」
「え、あ、う、うずいさん…まって…」
鬼狩りに?闘志をもやして、宇髄はヒュンっと消えていった。
つづきます→