満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第13章 幼い恋心《宇髄天元》
「この俺に隠しごとかよ」
そう波奈に言い放つと、波奈はふるふると震える。
「………す」
「あ?」
「…だから…その文、…わたしが書いたんです…」
は?
お前が書いた文…?
「…だから読まないでえっ…」
宇髄は真っ赤になって泣き出しそうな波奈を見つめ、ピタッと動きが止まってしまった。
「…な、…え?…だれ、に…?」
「………宇髄さん……」
「は?」
宇髄は身体が固まり、そのあと全身の血がぶあっと顔中に集まるような感覚に陥り、顔の熱が上がった。
「ばっ…かかお前は…、なんで今更俺に恋文なんだよ…!」
片手で顔を覆い、ヘナヘナと座り込んでしまった。
そうか。
そういうことか。
チラッと見えた文字は、ちっこくて女らしい文字だと思った。
が、冷静さを失い、あの文は波奈が貰ったのだとばかり、そう思い込んでしまった。