満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第13章 幼い恋心《宇髄天元》
宇髄は波奈が隠しているその紙が何かを、大体予想はついていた。
背後からチラッと見えた文字を辿ると、
どうやら波奈はまた恋文を貰ったらしい。
波奈が誰かから想いを告げられたり、勝手に慕われたりするのは今に始まった話ではない。
蝶屋敷にて働く、可愛らしく愛想も良く、その眩しい笑顔で看護されれば誰だって落ちる。
始めのうちは、波奈へ送った恋文の相手は誰だの、どんな奴だの、階級はなんだのとことん突き詰め、その苛立ちを床(とこ)に持ち込み波奈を自分のものだというふうに、子どものような独占欲を剥き出しに波奈の身体中に印をつけたりはしたが。
いちいち自分の子どもっぽい嫉妬に、波奈を振り回すのはもう辞めようと、諦めにも似た感情ではあった。
ーーーーが。
なんだあいつのあの顔は!
と宇髄はムッと胸の気分が悪くなった。