満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第13章 幼い恋心《宇髄天元》
「なーに読んでんの」
「きゃあああっ!」
カラコロっと宝石が、波奈の耳元で揺れた。
気配もなくいきなりの登場。
「…お前はいっつも驚きすぎなんだよ」
宇髄天元は、波奈の背後から覗き込んで、呆れながら言った。
「しっ忍びの術を使わないでくださいっ」
波奈は真っ赤になって宇髄から距離をとる。
使ってねーよと宇髄はククっと笑った。
波奈はいつも恋人の宇髄に驚かされてばっかりだ。
今だってこういうふうに、いきなり現れるので、波奈はいつも心臓がもたない。
「で?」
「…はい、なんでしょう」
「何隠してんだお前」
「…何も隠してないです」
「…」
波奈は手を後ろにしている。
顔は赤く、ジリジリと後退りして、俺から逃げているようだ。
宇髄はじとっと波奈を睨んだ。