満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第12章 残りの香り《宇髄天元》
甘味屋の戸をカラっとあけると、
中は大変賑わっていた。
炭治郎が言う通りとても人気なんだな〜と思いお店を見渡した。
「あれっ宇髄さん」
炭治郎が言い放った名前にビクっと反応して、炭治郎の目線の先を見る。
「ーーと煉獄さんと胡蝶さんと蜜璃さん」
座敷には、その4人が机を囲んでいた。
炭治郎が声をかけると、4人全員がこちらを振り向いた。
「竈門と波奈じゃねーか!」
宇髄は、ひょこっと煉獄杏寿郎の背後から声を上げた。
ヒラヒラとこちらに向かって手を振る。
波奈じゃねーか じゃないですよ!
波奈は昨日のことを思い出して、恥ずかしいやらで、顔を赤らめて黙ってしまった。
この人は昨日あんなことをしておいて、
平気そうにできるなんてと波奈は宇髄の神経を疑った。
宇髄はそんな波奈のことを全く気にしない様子で
「偶然だな。ここ座れ〜」と席を2人分あけた。