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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第12章 残りの香り《宇髄天元》



なんとか急いでお布団を干し、シーツも洗濯して竿にかけ終わり、
ふう、と息をついた。

晴天の、爽やかな風が吹き抜ける。

波奈は揺れる白いシーツを見て、
また昨夜の宇髄との逢瀬を思い出して、
しゅわしゅわと赤くなり、干してあるシーツに顔を埋めた。

「…宇髄さんのばかっ…」

昨日は宇髄はここに忍び込み、ほぼ無理やりに散々いじめられた。
それはまあ、わたしも最後は根負けをして宇髄の手中に収まってしまったが…

気づけば行為が終わり気を失ったのか、朝起きると宇髄の姿はなかったのだ。
近くに胡蝶やアオイたちが休んでるというのに、
宇髄が忍び込んで波奈と身体を重ねていると知ったら…
と考えるとゾッとする。

次会ったときにはこういうことはしないことを約束しなくてはと固く誓った。


「お洗濯ですか?波奈ちゃん」

ひょこっと後ろから優しい声が聞こえた。

「しのぶさん…っ!はい!天気が良いので!後でみなさんのお布団も洗濯しますね!」

胡蝶は、それは嬉しいですとにこにこと応えた。

よかった、この調子だと、昨夜のことは気づかれていない。
波奈はほっと胸を撫で下ろした。

「しのぶさん、今日は任務ですか?」

隊服姿の胡蝶を見て波奈が聞く。

「いえ、今日は柱合会議です」

「えっ…!」

「それがなにか?」

「いえ!お気をつけて行ってきてくださいね!」

ペコリとお辞儀する波奈に、胡蝶はひらひらと手を振り、蝶屋敷を後にした。

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