満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第11章 お忍びの逢瀬※《宇髄天元》
「呼んだか?」
「ーー?!きゃ…!!!!」
叫び声を出しそうになった波奈の口に、大きな手があてられる。波奈は驚き
ンーー!?っと小さな声を出す。
「んんんんん?!」
「ばか!俺だって!」
目の前には、波奈の布団に覆い被さり、派手な額当てを揺らした隊服姿の宇髄が、波奈の口を手の平で抑えて、シーー!と人差し指を口に当てた。
「うずっ…っ!宇髄さん?!え?!」
ハっ!声を小さくしなきゃ!
近くの部屋で胡蝶やアオイが休んでいる。
波奈は慌てて口を抑えた。
「ただいま、波奈」
「おかえりなさい…!って何やってるんですか!」
ガバッと起き上がって小さい声で宇髄に聞いた。
「あーー…任務が終わったから会いにきた」
会いにきたって…
こんな時間の、こんなところへ…!
「…また胡蝶さんに怒られますよ」
呆れてそういうと、宇髄は、うっ…と怯えるような顔をしたが、すぐに、
「お前に会いたかったんだよ」
と、半ば開き直って小さく言った。
「それに、お前も俺のこと呼んでんじゃねーか」
「え?」
「宇髄さん宇髄さんって」
「えっ…!きこえ…っ」
うそ、声に出てた…?!
波奈はブアっと顔に熱を帯びて、首まで熱くした。
「音柱の耳をなめるなよ」
宇髄はニヤっとして自慢げに言った。