満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第9章 雨音と君の音《宇髄天元》
「…もう一回」
宇髄は波奈の肩にそっと手をつき、グッと顔を近づける。
「え?ーーわあっ、」
波奈はびっくりしてバランスを崩し、倒れそうになるが、
宇髄は波奈の後頭部を持ち、そのまま重力に従い波奈に覆い被さる。
波奈は床に押し倒されてしまった。
宇髄は肘を付いて波奈に口付けする。
ちゅ、ちゅ、と何度も、角度を変えながら。
優しくも強引に貪られる。
波奈はどうしていいかわらず、思考がおいつかずされるがままである。
宇髄は波奈の両手をぎゅっと握り、手を絡ます。
波奈はそれを握り返した。
「…好きだ、波奈」
耳元で囁きながら、ほっぺと首筋にキスを落としていく。
波奈はポロンと涙が流れる。
恋慕
陶酔
情愛…
聴いたこともない音が、波奈から大きく聴こえる。
俺に対する気持ちが、うるさいぐらいの大合奏で聴こえてくる。
「…好きって、初めて言ってくれた」
波奈はぽつりと言った。
「…あーー…そうだったか?」
嬉しそうな音を大きく響かす波奈。
そんな音を奏でるなら、もっと言ってやればよかった。
「好きだよ、波奈」
「…はい」
「すげー音」
「…聞かないでっ…」
「むり。もっと聞かせろって」
宇髄はまた波奈の唇にキスを落として
舌を割り入れて絡め取る。