満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第9章 雨音と君の音《宇髄天元》
窓からはまだしとしととしぶとく降る雨の音が聞こえる。
その音を聞きながら、宇髄は手の触れる距離にいることをいいことに、波奈の頬を撫でたり波奈の髪の毛をくるくると触ったりしている。
波奈の反応をじっと観察しているようだ。
波奈は触られるのを真っ赤な顔をしてじっと耐えながら大人しくしていた。
「まだ慣れないなあ、俺に」
緊張と警戒でカチコチに固まった音が、波奈から聴こえる。
嫌な音ではないが、宇髄としてはもう少し波奈から甘く優しい音が聴こえて欲しいと思う。
「それはそうですよ…まだ、おとばし…宇髄さんと、恋仲になれたことが信じられなくて」
「ふーん」
「…それに、わたし、宇髄さんがはじめてのコイビトだから、」
「おう。それは知ってる」
初めての恋人、というワードに、宇髄は胸を熱くする。
男にとっては、好いた相手の初めては嬉しいものだと。
「…なのでどうしていいかよくわからないんです」
素直にそう言う可愛い波奈に、宇髄はキュンと胸が鳴る。
「不安になるこたねーよ。
この宇髄天元様が手取り足取り教えてやるよ。
恋人とすること、何から何まで」
ちゅ、と波奈の髪の毛に口付けすると、
波奈はカッと顔を熱くした。
「ーーーで?どこまで今日はする?」
「…っど、どこまでって…っ」
「恋人とすること」
宇髄は波奈を見つめながら、
頬に手をつき、耳を軽くさわさわと撫でると、波奈はビクンと反応した。