満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第9章 雨音と君の音《宇髄天元》
「…お前も地味に濡れてんじゃん」
「いえ、わたしはだいじょ…うわ?!」
波奈は背伸びして手ぬぐいで宇髄の首らへんを軽く拭いていると、
突然、宇髄はグッと波奈の手首と脇に手をかけ、ひょいっと持ち上げた。
それから、宇髄の肩に担がれるような形になった。
「…っ!ちょっ…?!音柱様?!!おろしてくださいっ」
バタバタと手足を動かして抵抗するが、宇髄は全く気にしていない様子だ。
宇髄は片手で波奈の腰をしっかりと押さえた。
「ちょい雨に濡れるがいくぞ!」
「え?!え?!行くってどこーーーきゃああっ!」
ひょいっと木の枝に飛び乗り、
ぴょんっと軽々しく飛んで屋根の上へ。
波奈はその高さと速さに驚き、悲鳴をあげる。
雨はザーザー貼り続けて、宇髄と波奈を濡らしていく。
宇髄は波奈を担ぎながら雨の中を飛ぶように移動していく。
波奈は必死に宇髄に捕まりながら、
ぎゅっと目を瞑った。