満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第9章 雨音と君の音《宇髄天元》
雨でぐっしょりと濡れた額当てを外し絞ると、水がしたたり落ちた。
水で濡れた髪を軽くかきあげる。
派手に濡れてしまった。
昼間は鬼の情報の収集。夜はその情報を元に鬼の音に耳を澄ます。
なかなかしっぽを掴めない鬼にもう1ヶ月も地味に徘徊しており、さすがに疲れていたところ、予想外の大雨にやられた。
くそっと悪態をつきながら雨の中飛ばしていると、俺の好きな、安心する音が聴こえてきた。
まさかな、と思いその音をたどると、木の下には風呂敷を抱えて不安気に雨を見つめる少女が立ち尽くしていた。