満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第9章 雨音と君の音《宇髄天元》
わたしが音柱様を想う気持ちをどうにか伝えると、痛いほど抱きしめられた。
同じ気持ちだ、と何故かものすごく申し訳なさそうに言われた。
4人目の嫁になって欲しい。
俺のそばにいて欲しい。とも言われて、
いきなりのことに思考が追いつかず、
答えは出せなかった。
音柱様もわたしと同じ気持ちであることが、
今だ夢なのではと思ってしまう。
まだ16になったばかりの、子どものようなわたしのことを
本当に好きになってくれたのか。
恋仲であるという自信がどうしても持てない。
音柱様が生きていてくれて、そばにいるだけで良かった。
それは恋人ではなくても、鬼殺隊を支える医療従事者としてで十分だと思っていた。
立場が違えど、共に戦えるだけで良かった。
それ以上は、波奈は何も望んではいない、はずだった。