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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第8章 小さな箱の中で《宇髄天元》



人の気持ちには機敏なほうだった。
人が何を考えてるのか、誰を好きで苦手なのかーーー。

波奈に関しては、
人に接するときはいつも贔屓なしの平等で、
周りには常に気を配り、優しく、その可愛い笑顔を振りまいている。
波奈から、俺が特別だとかは感じた事は一切ない。

なので波奈が俺のことを想っているかもしれないと聞いた時、いささか本当なのかと疑う。
気持ちを聞き出したい気持ちにもなるが、俺はそれに対してどう応えればいいかわからない。


蝶屋敷を出ようと玄関先へと向かっていると、
波奈が庭で洗濯を干していた。
真っ白く大きなシーツを干すのは大変そうだが、手慣れた様子で作業を進めている。


じっと見ていると、こちらに気づいた波奈は、パッと明るくなり、こちらへ近づいてきた。
俺のことを慕っていると聞いたからか、少し動揺して一歩後退りした。
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