満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第8章 小さな箱の中で《宇髄天元》
「血鬼術ですね。そのような部屋や箱に閉じ込められたという報告が何件も発生してます。
しかも男女で」
厚い報告書を読みながら、先程の怒りも手伝い、たんたんと胡蝶はしゃべる。
「ーーああ。なぜ波奈が閉じ込められたのかはわかんねえーけど」
「……多くは恋人同士です」
「俺と波奈は恋人じゃねーよ」
「……それか、どちらかが想いを寄せている、そんな報告があります」
胡蝶はじっと宇髄を見つめた。
「…は?」
「波奈はどうやらあなたのことお慕いしているようですね。
なぜあなたなのか全くの疑問ですが」
「ちょ、まてまて、波奈が?俺を?」
「ではあなたが波奈のことを?」
「いや、それはちがう……」
ちがう?ちがうんだよな…?あれ?
口元を手で押さえて自問自答をする。
「ーーーとにかく、あの子はまだ15の子どもです。
あなたは奥様が3人もいる既婚者です」
「…あぁ…」
「波奈のこと、傷つけたら殺します」
こ、こえ〜〜よ…
さーーと青くなる音柱、宇髄天元は早々と胡蝶の部屋を後にした。