満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第8章 小さな箱の中で《宇髄天元》
波奈は蝶屋敷で、隊士の傷の手当てやその他の重傷者の手当てを、昼夜問わず働く15の少女だ。
幼い頃親を鬼に食われ身寄りないところ、蝶屋敷にて引き取られたらしい。
代々医者の家系で、医学の知識や医術に詳しい。
宇髄は直接手当ては受けてないものの、たびたび部下の隊士を運んだ際は世話になっている。
その可憐な姿と優しいいで立ちは、男の隊士はファンが多いと聞いたのも頷けた。
出会ったのは波奈が9歳ぐらいの頃だ。
「お前寒いの?」
「だ、大丈夫です…」
ぶる、と波奈が震えたのを、宇髄は見逃さなかった。
「いや寒いだろその格好じゃ…」