満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第8章 小さな箱の中で《宇髄天元》
「…とりあえず、な?
ここ座れ」
「…っう、…でも」
宇髄に跨るように座っていることに気づいた波奈が、慌てて起き上がり、ずっと膝立ちでいる。
天井は低く、体制がきつそうだ。
「ほら、身体もたねーだろ」
波奈の腰に手を添えて、グッと下げてやると、波奈はまた宇髄の太ももあたりに座るような姿勢になった。
…近いな
改めて状況を整理すると、波奈の身体はすぐ触れれる距離である。
こんな近くでこいつを見たことねーな、
とチラッと上目で彼女を見ると、
顔を赤くして涙目で黙っている。
そんな顔を見てしまうと、つられて宇髄も顔を赤らめてしまった。
「あーー…鬼の血鬼術だ。鬼の首は切ったから、おそらく朝を迎えると出れるから、」
心配すんな、な?と、赤らめた自分を誤魔化すように、そして
気まずい空気を打ち消すように声をかけた。
「…はい…すいませ…」