第1章 出会いの日
しばらくじっと過ごしていたけれども、あれからいつの間にか寝てしまああっていらしい。
目が覚めると部屋の窓からは太陽の光がさしていて、サボさんの金髪がキラキラと輝いていた。
それを見て昨日のことは夢じゃなかったんだなって思ってしまう。
確認するようにもう一度自分の手を見ると、やっっぱり透けている。
無意識に大きなため息が出てしまった。
これから私はどうしていけばいいんだろう。
ぼーっと何も考えずにサボさんの方を見ていると、もぞもぞと動き出した。
…、よくよく考えれば私男性の部屋にいるのよね。
起きた時迷惑じゃないかしら?でも勝手に出て行っていいのかな?
結局どうすることもできないのでおとなしくしていると、サボさんが起きた。
太陽の光があたり眩しそうに目を細めてから、ムクっと起き上がった。
勝手なイメージ寝起きはすごく悪そうだったけど、意外とそうでもないのかな?
ぼーっとする様子もなくテキパキと動き出したかと思えば、くるっと私の方に顔を向けてきた。
流石にそんな風に顔を向けられるとはお思わなかったからビクッと肩が跳ねてしまった。
「おはよう、」
「お、おはようございます」
名前覚えてくれていた。
それだけなのに、心が暖かくなるのは単純だなって思ってしまう。
すると、コンコンと扉がノックする音が聞こえた。
サボさんが返事をすると入ってきたのは1人の女の人だった。
「あ、よかった。サボくん起きてた。実はこの書類の修正が来てて早急に目を通してもらえない?」
そう言って女の人は何十枚かの紙束をドサっと近くにあった机の上に置いた。
そこそこ重たかったのかふぅ、と息を吐いた。
サボさんは大量に積まれた資料に顔を歪めながらも、女の人に視線を向けた。
「そういえば、このあいだ行っていた任務は大丈夫だったのか?海賊に襲われていた島」
任務?
普段生活していたら聞かないであろう単語に、耳が反応した。
どう見ても普通の人ではないけれども、サボさんってどういう人なんだろう。
「まだ怪我が治り切っていない人や目を覚ましていない人も何人かいるけれども、みんな命に別状はないみたい」
「そうか、ならいい」
そのまま机に向かって書類を手に取って目を通していく。
そんな仕草が少しかっこいいと思った。