第2章 ゆれるこころ
「私、これからどうしたらいいんだろう…」
ずっと抱えている心の不安が吐露される。
今はまだここにおいてもらえているけど、ずっとこのままのわけにもいかない。
そもそもどうして私は幽霊になって今ここにいるんだろう。
生きていた頃に未練でもあったのか、革命軍に何か思い入れがあったのかもわからない。
せめて生きていた頃の記憶が少しでもあれば何かが得られたかもしれないけど、それも難しい。
「考えなくちゃ」
ここから消える方法。
このまま生きている人の邪魔はできない。
「流石に、何かしないとダメだよね…」
今まではただ自分が楽しむためだけの本を読んでいたけど、探せば手掛かりがあるかもしれない。
せっかく革命軍にいるなら、日々の事件や情勢がわかる、それがきっかけで自分が何者なのか、消えるための何かがわかるかもしれない。
「よし、がんばろう」
自分でも気づかないくらい、時間が経っていたようで、水平線上から太陽が上がってきていた。
「綺麗だな」
誰にも拾われない声がその場に落ちた。
「まだ寝てるみたい」
そっと部屋に戻ってくるとまだサボさんは寝ていた。
起きるまで私はさっきまで見ていた空をもう一度窓から覗く。
そこには星はなく、雲一つない茜色の空が広がっていた。
今日はいい天気みたい。
今日一日をどう過ごそうか頭の中で計画を立てていると
シーツが擦れる音が聞こえた。
「ふあぁぁ」
起き抜けの声と共に、両手を高く上げながら体を伸ばしているようだった。
「サボさん、おはようございます」
「おはよう、」
「今日は昨日と違っていいお天気ですよ」
着替えているサボさんとは反対方向を向きながら、二人で今日一日をどう過ごすのかの会話をする。
「は今日はどうする?」
「そうですね、私は図書室に篭ろうかと。少しだけ調べたいことがあるので」
「調べたいこと?手伝おうか?」
「いえ!そんな、お忙しいんですから大丈夫ですよ」
肩を叩かれたんを合図に、向かい合う。
キラキラとした金髪が太陽に反射していて眩しくて、とても気鋭だった。