第2章 ゆれるこころ
それからは本を読む気を無くしてしまい、私はサボさんのベットの上で寝転んだ。
ザーザーと降っている雨の音に耳を傾けながら私は目を閉じた。
そのまま眠ってしまっていたようで、何かが頭に触れる感触で私は目を覚ました。
先ほどまで窓の外は明るかったのに今では夜になり雨も上がっているようだった。
ぼんやりとした頭で、感じ取っていると近くに人がいるのが分かった。この頭の撫で方は私は知っている、心の中でずっと求めていたものだった。
「…サボさん?」
「お、起きたか?」
私は声をした方に顔を向ける。
そこにはベッドに腰掛けているサボさんがいた。
私が起きたことに気がついか彼は、撫でてくれていた手を話そうとしていたので私は反射で赤黒くなっている腕を捕まえた。
あ、その顔は初めて見た。
その行動は予想外だ多調で、サボさんは目を丸めてこちらを見た。
でもそんなことはお構いなしに私は捕まえた腕をもう一度頭に戻した。そしてもっと撫でろと言わんばかりにグリグリと押し付ける。
少し呆れたような顔で、サボさんはそのまま私の頭を撫で続けてくれた。
「本当に申し訳ございませんでした…!」
あれからしばらく。
ようやく意識がはっきりした私は先ほどまでの自分の行動お思い出して青ざめながらベッドの上で土下座をしていた。
寝ぼけていたとはいえ、忙しいサボさんに対して私はなんてことを…。
「いや、いいさ。疲れていたんだろ。ぐっすり眠っていたのにん悪かったな」
「そんな、サボさんが謝るようなことでは。むしろごめんなさい。サボさんの方が疲れているのに、私がベットを独占してしまって」
あぁ、本当に私ってなにやってるんだろ。
ただでさえ、私は居候の身だしサボさんに対して何かできるわけでもないのに。
どんどんとネガティブにはまっていくにつれて私の視線も床に落ちる。
「そこまで気にしなくていいさ。体力はあるからな、このくらいなんともないさ」
「でも…」
「まぁ。それなら歌を聞きたいかな」
「歌?」
思ってもいなかった言葉に私は下げていた視線をサボさんに戻した。サボさんは少し照れたように、頬をポリポリとかいていた。