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夢繰り屋 凛 第七章 『前編』

第5章 悪い癖。


「凛、すっげえ…心臓の音。」

耳元で、浩二君の声が響く。

「…何?緊張してんの?」

そう言って、クスッと笑った。

「…浩二君。…何で、私達…
 こんな事になってんの?」

私は、とにかく、息をし…ひとつひとつ
状況を把握していくしか出来なかった。

許容範囲はとっくに超えていますので…。

「ん?凛が、女の子みたいに可愛い反応するし、
 か弱い女の子みたいにお化けが怖いとか言うし…?」

こんなに優しい浩二君の声が
私に向けられてるやなんて…。
これって、告白のタイミングよね…?

「…浩二君。…浩二君、あのね…。」

浩二君の胸に顔をうずめたまま、
気持ちを伝えようとした、その瞬間…。

「凛…お前…。ええ匂い…。」

そう言いながら、浩二君は、
私の耳たぶを…甘噛みした。

ゾクゾクして…体の力が抜けてしまって
足から一気に崩れ落ちた…。

もう…限界です。
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