第2章 怖いもの。
相談内容とは…。
山口さんのお姉さんの子供。
姪っ子ちゃんが、悪夢に怯えて
困ってるとの事…。
家族で行った遊園地で入った
お化け屋敷でお兄ちゃんと繋いでいた手が離れ、
少しの間、置いてけぼりになったのが原因らしい。
「せやけど、五歳の女の子らしい悩みやん。
お化け怖いなんか、めっちゃ可愛いやん。」
「そ…そうやね。か…可愛いよね…。
五歳児やもんね…。ははは…。は~…。」
…浩二君。
高校生にもなって、お化け屋敷に
入れない私にも、同じセリフが言えますか?
…何で、わざわざお金払って、
怖い思いせなあかんのかが理解不能やわ!!
「…凛…?お前…ひょっとして…。」
…もう…何も言うまいよ…。
「…えっ?まさか…怖いんか?お化け…。」
…何ですか?
その笑いだけじゃ収まらないような
色んな感情を堪えた顔は…。
「マジか!!」
次の瞬間、浩二君はお腹を抱えて
笑い転げた…そうなるやろうよ!!
「アハハハ…え??何が怖いん?
あんなん作りもんやんけ!!ウヒヒヒ…。」
…そんなにおもろいか!!
男前が台無しになってますけど!!
「こ…怖いものは、怖いんやからしゃ~ないやん!!」
「フ…ハハハ…せやけど、お前…。フハハ。」
いい加減…イラッとするわ。
「どうせ…バイオハザードのゲーム画面を
横で観てただけやのに、ゾンビに追っかけられる
夢を見てうなされるような私ですよ!!」
半切れ気味にカミングアウトしていた。