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夢繰り屋 凛 第七章 『前編』

第2章 怖いもの。


相談内容とは…。

山口さんのお姉さんの子供。
姪っ子ちゃんが、悪夢に怯えて
困ってるとの事…。

家族で行った遊園地で入った
お化け屋敷でお兄ちゃんと繋いでいた手が離れ、
少しの間、置いてけぼりになったのが原因らしい。

「せやけど、五歳の女の子らしい悩みやん。
 お化け怖いなんか、めっちゃ可愛いやん。」

「そ…そうやね。か…可愛いよね…。
 五歳児やもんね…。ははは…。は~…。」

…浩二君。
高校生にもなって、お化け屋敷に
入れない私にも、同じセリフが言えますか?

…何で、わざわざお金払って、
怖い思いせなあかんのかが理解不能やわ!!

「…凛…?お前…ひょっとして…。」

…もう…何も言うまいよ…。

「…えっ?まさか…怖いんか?お化け…。」

…何ですか?
その笑いだけじゃ収まらないような
色んな感情を堪えた顔は…。

「マジか!!」

次の瞬間、浩二君はお腹を抱えて
笑い転げた…そうなるやろうよ!!

「アハハハ…え??何が怖いん?
 あんなん作りもんやんけ!!ウヒヒヒ…。」

…そんなにおもろいか!!
男前が台無しになってますけど!!

「こ…怖いものは、怖いんやからしゃ~ないやん!!」

「フ…ハハハ…せやけど、お前…。フハハ。」

いい加減…イラッとするわ。

「どうせ…バイオハザードのゲーム画面を
 横で観てただけやのに、ゾンビに追っかけられる
 夢を見てうなされるような私ですよ!!」

半切れ気味にカミングアウトしていた。
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