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夢繰り屋 凛 第七章 『前編』

第1章 依頼者は…。


「お願い、鏑木さん。ほんの子供の言う事なんやけど、
 聞いてあげて欲しいねん。」

部室で、一年の時に同じクラスだった
山口さんにお願いされていた。

「山口さん…とにかく、話を聞かせてもらって
 いいかな?」

話を始めた彼女の表情は、
とっても申し訳なさそうだった。

…………。

「…ほんとにごめんね。じゃあ、明日の
 土曜日に私の家に来てもらえるんだよね。
 ほんとにありがとう。」

申し訳なさと、嬉しさが混じった表情で
彼女は部室を出て行った。

ひ…引き受けちゃったけど…。
大丈夫だよね…?

「凛?どないしたん?
 なんか乗り気やないように見えるけど、
 心配な事でもあるんか?」

一緒に話を聞いていた浩二君が
不思議そうに聞いてきた。

「えっ?…うん…。小さな子の言う事やし…。
 …ねぇ…。うん…。あはは…は。」

今回の相談…苦手分野なんやけど…。
でも…そんなん…よう言わんわ…。

「…?凛?」

い…言えませんやん…。
この年なって…怖いやなんて…。

…幽霊が…怖いやなんて…。
 



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