第3章 What's Happening⁉︎
「あ、ありがとうございます…」
「チッ…」
盛大に舌打ちをした三途さんはすぐにエレベーターに乗った。
あの人と一緒にいると少しの時間でも疲れてしまう…
出来る事なら距離を置きたい…
同じ雑居ビルの中、用意された部屋に入ると
そこは最高級デザイナーズマンションの一室のようだった…
「なんで!?」
目の前に広がるのは私の家に置いてあった筈の家具…テーブルにソファーにドレッサーも…
勝手に引越しされてる…
床に大量に置いてある段ボールを開けると愛用の食器やドライヤー、タオル…全てが詰まっていた
はぁ…
とりあえず部屋の扉を全部開けてみる。
「えっ」
私の大好きなハイブランド達の箱や紙袋が大量に置いてあった…PRADAにCHANELに…
中身は洋服からバッグ…靴にアクセサリーまで…
HERMESのバーキンは4つも…
これ…全部でいくらするんだろう…
ご丁寧に下着まで用意されてるけど何故かどれもキワドイ…透けてるかTバックか…極端に布の面積が少なすぎる…
ブラについては私のサイズだ…そんな事は公表した覚えは無い…
「あった!!」
蘭さんに返して貰えなかったバッグ…
中をどれだけ探してもスマホも財布もスケジュール帳も、大事な物だけがなくなっていた…
はぁ…
もう…
とりあえずシャワー浴びよ…
………………………………………………………
用意されていたバスローブを羽織って髪を乾かしていく
その時、
閉めていた筈の扉が開いていくのを鏡越しで確認した…
「え!?なっ!?」
あまりに驚きすぎてドライヤーを床に落として振り向くとそこには蘭さんが立っていた。
「あはっ…びっくりしたー?」
蘭さんは何事も無かったかの様にドライヤーを拾うと、私の髪を乾かしていく
髪を乾かしてくれるのは素直に嬉しいけど、それよりも聞きたい事が山ほどあった
「あ、あの、どうやって入ってきたんですか…?」
「玄関からに決まってんじゃん」
「…玄関のドアを壊して入ってきたとか?」
「三途じゃねーんだから、俺は行儀良く合鍵使うタイプな?」
ハハッなんて楽しそうに話す蘭さん…
「…なんで持ってるんですか?」
「そりゃ、ちゃんの恋人でもありマネージャーだし♡」
いつから恋人になったんだろう、マネージャーにも…